解体屋ゲンさんのこと

仕事帰りに、いつも寄るコンビニで買い物がてら、今週の「解体屋ゲンさん」を立ち読み。

週間連載なのに、毎回内容の濃い話で、非常に面白い作品。

今週の話はぐっと来ました。<ネタバレ注意>

解体業の社長が、突然の脳梗塞で、体の半分が不自由になってしまいました。

その社長に元気になってもらうためリハビリをさせようと、あの手この手を使うも、うまくいきませんでした。

思い立った主人公のゲンさんは、ゲンさんたちが普段の解体の仕事をしている作業現場、仕事が終わったあとのビールを飲む動画を撮り、リハビリの社長に見せたの。

「現場最高!」と、ハンマー片手に壁を叩いて解体作業に勤しむゲンさん、汗だくの仕事帰りにビールを飲んで「最高!」と浸る作業員の姿を見て、再度解体の現場に復帰したいと、リハビリを始めた社長だった、という話でした。

もう、すごく感動しました。

解体業は、汚れはする、近所に迷惑は掛ける、とても危険な現場が多い、そんな仕事です。

それでも、人様の役に立ち、やりがいのある仕事で、脳梗塞のリハビリを超えても再度現場に出たいと思わせる程、わくわくさせるものがあるのだなと、震えました。

私たちの行っている不用品回収、遺品整理の仕事も、年中大変な仕事ばかりをこなします。

振り返ってみれば、きつい仕事ほど記憶に残っています。

全身全霊を傾けてこなす仕事が多くあり、全身がガクガクする程疲れた現場ほど、強く印象に残っています。

何でこんな大変な仕事をやる事になったんだろ?と自問自答する時もありますが、それでも続けているのは、やはり仕事が楽しいんだなって。

ゲンさんの物語の中で、ハンマーで壁を壊すゲンさんは、明らかにきつい仕事でしたが、それでも過酷なリハビリをしてでも、そういう過酷な現場を再度やりたいと思わせる程に仕事には魅力があるものみたいです。

物語の中での「現場最高!」の言葉は、過酷な現場をこなした人でないと理解できないかも知れません。

辛くても、報われなくても、現場は最高に楽しいものなんだ。

だって、仕事で辛くてヘトヘトになって家に帰ると、ビールの美味しさが格段に変わってくるんだ。

怠けて、働いていたんじゃこんな美味しいビールは飲めませんよ。

ビールを美味しく飲む最高のスパイス?を仕事から頂いていた事に気づかされた、今週のゲンさんでした。